構造的に重くなる羽毛布団

〜軽く仕立てるためのマルキューの取り組み〜

何で重くなってるのイメージ画像

今お使いの羽毛布団を『重い』と感じていますか?

その原因、羽毛布団の構造のせいかもしれません。

ここでは重い羽毛布団の構造をご説明します。

 


羽毛布団は『側生地』と『羽毛』でできている

羽毛布団は生地と羽毛でできているイメージ画像

羽毛布団は「羽毛」「側生地」で包んだ商品です。

使用する羽毛の量はサイズや仕様(本掛け、肌掛け等)によっておおまかに決まっています。

羽毛を入れ過ぎて重くなる布団はほぼありません

 

重さを極端に変えてしまうのは『生地』の方に原因があります

それは、特殊なつくりをした側生地です。以下に例を見ていきましょう。

 

布団を重くする側生地の構造

・側生地がシルク(絹)

シルクは軽くてなめらかな肌触りですが、羽毛布団の生地に適していません。見た目は豪華ですが耐久性がないため、5年も使っていれば縫い目に沿って裂けてきはじめます。そのため、シルク単品では羽毛布団が作れないので、まずは羽毛布団をシルク以外の生地で作り、その上にシルクの生地を被せるつくりとなります。その結果、使用する生地の量が多くなり、重くなります。

 

・側生地に大量の刺繍がしてある

刺繍した生地は羽毛が飛び出しやすくなるので、上で説明したシルク側生地と同じく、刺繍された生地の下に、もう一枚別の生地が入っています。それによって生地の使用量が多くなり重くなります。

 

・二層式立体キルト

外気との遮断性をアップさせるために、羽毛の層を上下二つに分けて持たせた側生地です。二層にするために内部にしきりの生地が必要になってくるので、その分重くなってしまいます。

 

・2枚貼り合わせ布団

これは二層式キルトの発展系です。外気との遮断性のために、2枚の独立した羽毛布団を貼り合わせて作った羽毛布団です。羽毛布団2枚分の生地が使われるので、これが最も重くなる構造です。

 

・構造以外で重くなる要因

長年の使用で側生地が汗や皮脂を吸って重くなっているものもあります。

 

・マルキュー寝具で使用する側生地の構造は立体キルト

マルキュー寝具で使用する生地は軽量で、しかも構造は最もシンプルな『立体キルト』です。

組成は:ポリエステル85%綿15%。シングルで重量が約800g。

※綿100%の立体キルト側生地の平均的な重さは約1,200〜1,300gです。

 

 

まとめ

構造的に重くなってしまうことはご理解いただけたと思いますが、メーカー側もわざと重くしようとして作っているわけではありません。空気の遮断性を上げようと試行錯誤した結果、その部分は高性能になり、軽さを多少を失ってしまっただけです。どちらを重視するかでお選び頂ければ良いことだと思います。

その中でも、見た目を良くするためのシルクや刺繍などは避けるべき仕様だと考えます。それらの装飾は機能性には影響を与えていないからです。ただ、見た目の豪華さが重要なのであれば、多少重くなっても良いのかもしれません。

 


足し羽毛について

〜足し羽毛の扱いに、会社の理念が現れる〜

 

軽く仕立てるためのマルキュー寝具の取り組みイメージ
羽毛にはいろんな種類と状態があります

 

羽毛の状態に合わせて、足し羽毛の量を決めます

 

マルキュー寝具の足し羽毛は別料金でいただいておりますが、他社のリフォームでは200g〜300gの足し羽毛が料金の中に含まれているものが多いです。これにはお客様、会社ともにメリット・デメリットがあります。

 

【メリット】

お客様:料金が確定しているので、注文時に追加料金の不安がない。

会社:個別に最適化案を考えなくて良いので、作業が効率的(状態が悪すぎる場合を除く)。

 

【デメリット】

お客様:不要な布団にも追加され、重くなり、使用感が悪くなってしまうケースもある。

会社:足し羽毛不要の布団にも追加してしまう。

 

よほど状態の悪い布団でない限り、足し羽毛を200g入れればふっくらします(200g以上必要な場合は他社様も追加料金が必要になります)。ですが、足し羽毛を入れなくても十分なふくらみがある布団も結構あるんです

マルキュー寝具では、個別に羽毛の状態を診断し、足し羽毛の有無や量を決定します。

過去の実績を見ると、シングルの場合、足し羽毛を200g入れるケースは3割弱程度です。それ以外は足し羽毛なしか、100gで済んでいます。

足し羽毛が少なめで済んでいるのは、ホームページに「リフォームに向いているかどうかのセルフチェックページ」があり、それをお客様がしっかり読んでくれているからだと思っています。そのページでは「こんな状態だと足し羽毛がこれくらい必要になります」という説明をしています。

 

長くなりましたが、マルキュー寝具では足し羽毛は必要な量だけ入れ、不要に重くすることは致しません。羽毛の状態に合わせて最も軽く仕上がるように心がけています。信頼して注文いただければ幸いです。